蝉時雨 もう三時かと 冷茶入れ  一哉
 
 熱い陽射しを反射するように、蝉の音が鳴り響いている。若葉駅前通りから千代田公園に曲がる辺りで、一挙に来た。有無を言わせず、夏が誇っている。
 
 帰宅して開ける玄関の扉が熱されて痛い。エアコンの居間に入り、服を脱いだ。床屋さんが混みすぎて、予定オーバー。本屋を覘いたが、我慢して買うのをやめた。
 
 意味のないこんな一日も良し。ニラレバ炒め、のようなものが食いたい気分。冗談にも、蝉の唐揚げなどとは言わない。この猛暑、何匹かは樹の下に落ちただろうな。