誕生日

   68歳になった。長い一年間だった。「青羊の 息を切らせて 一里塚」。
まだまだか、もう、かは自分でも半々だ。
 
 山、山、雲。必死にたどり着いた山頂からみえるのは、また鋭い峰だ。その方向にヘナヘナになりながら歩みだし、ついに登り切った。岩にしがみつきながら見渡すと、ぶ厚い雲海が峰の周りを取り巻いている。
 
 己の心に微かな光を見出そうとしている。是も非も分からないが、止まるな。