冷し中華

 中国・西安から帰国したTさんと会った。彼が「午前中用事があるので、午後1時に行くから」。たまらなく暑いので、「冷し中華」を食べに行くことになった。「冷し中華は店によって美味しい、不味いがはっきりするから知っている店に行こう」と、若葉駅前に近い店で食べた。
 
 Tさんは帰国の前にベトナムに寄っていたが、帰国の前日に娘さんから「おばあちゃん亡くなった」と連絡を受けたそうだ。すぐに成田行きの便を手配した。成田に着いたら札幌行きの最終便にギリギリで間に合った。お通夜には間に合わなかったが、告別式に出られた。
 
 Tさんの母上は101歳直前だったという。昨年、Tさんも札幌に行って兄、姉たちと「100歳のお祝い会」を行った。その意味では、落ち込んではいなかったが、やはりいつものパワーは感じられなかった。数年前に奥様を、そして今回、母上を失くした。彼の心の痛さは想像を越える。
 
 そんな感じでも冷し中華を食べながら、敦煌への旅行のことや、語学留学している西安の大学生活を話してくれた。友人たちもできたようだ。シルクロード行き以来、右足の甲が痛くて病院で検査を受けるという。めずらしく「生と死」にかかわる自問をした。9月3日に帰る前にもう一度会うことになった。