父の命日

    9月17日は黙祷の日です。私の父が48年前に礼文島沖で事故により死去した。
 
午後の空き時間に学生控室にいたら、小沢さんという寮長が息を切らせて走り込んできた。「久末君、すぐ自宅に帰るように電話がありました。Oさんという人が小樽の中央バスターミナルで待っているそうです」と伝えてくれた。
 
幼馴染のTちゃんが車で来ていて、わたしに父が行方不明であることを告げ、夕闇深まる中を古平の実家に急いでくれた。Tちゃん、あの時はありがとうございました。
 
 サルビアの花10数本が、居間の窓から見えている。朝から雨の中で朱色を強く放って咲いている。今年はこの花を父に捧ぐ。2年早めて先月初めに50回忌を行ってきた。あの日の北海道は晴れた暑い日で、夕焼けが朱色で西空いっぱいに染めていた。