栗、栗、栗

 「夕方、栗を玄関横に置いてきたので、味わってみてください」―昨夜、留守電からM先生の元気な声が流れた。すぐ御礼の電話をした。「今年は8月初めが暑すぎたのでいつもより早く実がなり、出来はいま一つだった」との話。先生(86歳)の快活な言動に改めて感嘆!! 今年もいただいた。
 
 「今度また池袋でお昼でも食べながら歓談しようや」とも言ってくれた。久しくお目にかかっていないので、ぜひ実現したい。いつも謙虚なM先生とお会いすると、自分の傲慢さがはっきりと自覚できる。先生の立ち振る舞いや話し方がおのずと自覚させる。私にとっては良い鏡なのだ。
 
 先週土曜日に息子家族が飯能の栗園にでかけて収穫してきた。「行く時間が遅かったのであまり落ちていなかった。子どもたちにたくさん落ちている栗を拾わせたい」。そんなことを言いながら、半分を我々にくれた。少ないとは言いながら、我々二人に十分な量だった。
 
 その話を、妻がつくばみらい市にいる娘にしたら、一昨日夜に中一息子を乗せて栗を持ってやってきた。その大きさと量の多いのには驚いた。自分の畑にある栗の木から採れたものだという。妻と娘はおしゃべりしながら、その夜遅くまで専用ナイフを使って栗の皮むきをやっていた。
 
 昨日の夕食はとうぜん栗ご飯だった。大きな栗とシメジ、ニンジンが入っていて、噛んだら秋の匂いが広がった。サツマイモの味に果実の甘さを少しだけ加えたような、口いっぱいがそんな感じだった。息子が娘に来年の栗拾いは「入場無料」の娘の家に行くことにすると本気で話していた。