「サルパ」、謎の生物

 これはクラゲのような、「サルパ」(写真/コトバンク)という謎の透明生物だ。現在、北海道積丹半島沖で大量発生して、ボタンエビ漁の地元漁師を困らせている。魚網を目詰まりさせるからだ。昨夕、TBSテレビ「Nスタ」が取り上げた。小樽水族館で調べてもらったらサルパで、クラゲではなくホヤの仲間だそうだ。
 
 卵のクローンを作って生殖する不可思議な生態系をもつようだ。暖かな海を好むが、エサのプランクトンを求めて海水温が高くなっている積丹沖まできたらしい。ホヤ類だから栄養はあるらしいが、誰も食べていないという。無味のような感じがする。飼育が困難で国内水族館では常設飼育しているところはない模様。
 
今年夏に積丹に帰省したとき、確実に海水温度が上がっていると漁業関係者から聞いた。獲れる魚の種類があきらかに変わってきている。従来みられなかった南方系の魚もときどき揚がるという。加えて温暖化で陸地の植物が変わっていけば、川から海に流れるミネラルなどの養分も変わる。当然、プランクトンや海藻の生態系が変わり、海洋生物の分布も変わる。
 
 海中の生態もまだ謎だらけだ。深海に生息して未だ人間と未遭遇の生物もきっと多いのだろう。不思議というか、ロマンというか、恐ろしいというか、複雑だな!? 先日、悪い人たちがクラゲを大量捕獲して、中国にもち込んで儲けているとのニュースがあった。サルパも加工方法を考えてサプリメントの原料にするとか、研究者はtryしてください。