隠されるほど暴かれる

 旭化成はマスコミが消費者、国民を代表して報道していることを深刻に理解すべきだ。昨夕の記者会見には旭化成執行役員旭化成建材常務が登場したが、何一つ問題解決のための具体的説明ができなかった。権限委譲されていないこのクラスの役員が「国交省に報告したので、そのことを報告しに来た」では責任ある記者会見とは言えないのだ。
 
当然、期待された記者会見にはならなかった。「これ以上は言えない」、「いつまでかかるか分からない」ではかえってマスコミ、自治体関係者、消費者を苛立たせた。最低、旭化成建材の社長が出席し、苦悩しながらギリギリまで答えようとする姿勢を示すべきだった。その意味から旭化成のリスクマネジメントは甘いし、勘違いがあるといわざるを得ない。
 
旭化成の記者会見資料(プレスリリース)をネットでチェックした。前文2行でタイトルとお詫びがあり、全国各県別、種類別件数の一覧表が一枚だけ。数字の羅列で報道資料としては自分勝手で、マスコミに不親切な印象だ。普通の場合、短い概要があり、そのあとに一覧内訳として添付される。会見で何を伝えたいのかを冒頭で要約すべきだった。そのことで以下の一覧表の意味が明らかになる。
 
 結果論になるので言いたくないが、物件数だけの発表とマスコミ、自治体、消費者が知りたい内容とのズレが大きすぎる。個別物件発表については難しい判断だが、隠されるほど暴かれる。さまざまなルートから真偽不明の情報が露出されよう。ここにまず楔を打った戦略を打ち出すべきだ。さらに常務がその現場責任者の悪口を上から目線で述べたが、それはそのまま同社に返る。