今年の目標

 〈自身とサザエが二人三脚で走る道には「スランプ峠、マンネリ坂、ハッスル一号線、いきぎれ岬」が描かれる。「いまさらコースはかえられず生活もかかっている かくて私は今日もかく」〉。
 
朝日be版に長谷川町子ゆかりの福岡市・百道(ももち)海岸が取り上げられている。「だからサザエさんの登場人物の名が海産ぶつになったわけです」(本人)。「スランプ峠、―」の人生の例えには脱帽。スランプが坂や一号線だったり岬では、ギンギラにマッチしない。マンネリも坂だからよく分かる。いきぎれ岬とは恐れ入った。
 
長谷川町子はマンガもシニカルだが、頭脳全体がクールだった。ハッスル(懐かしい表現!!)だけが前向きで、人生は「スランプ、マンネリ、いきぎれ」と辛苦にあえぐ場面が多いのだと例えている。苦労の多かった自分自身の人生をそのように揶揄(やゆ)できる人物だったのだ。
 
その思いは万人に通じる。とはいっても、わたしの峠とあなたの峠は異なるし、坂の登り具合も違う。せめて一緒に歩く時には、互いに軽く目であいさつし、できれば「お疲れさまです」ぐらいは優しく声がけをして歩いていきたい。今年の目標!!