「番長」の人生

 「清原逮捕」に大方の人は「やっぱり」と思い、「まさか」の人は少なかったのではないか。ついに「清原容疑者」と呼ばれる事態になってしまった。彼を天辺(てっぺん)まで持ち上げてきた取り巻きのマスコミがいっせいに梯子をはずし、石打の刑に出ている。元同僚などの「驚いた」、「残念だ」の声は、ほとんどが一歩引いたところからのコメントだ。
 
 高校時代から現在までの清原の人生はまぎれもなく波乱万丈、ドラマよりも凄い。だから何かあればマスコミの餌食になるのは必至だった。ドラフトの時や週刊文春報道もそうだが、「もしも…たら」、「もしも…れば」の場面は実際に多かった。過去の一瞬一瞬の陰りが重なって現在の「逮捕」になった。裸の王様は孤独に耐え切れず、闇雲に取り巻きを求めつづけた。
 
 「番長」は自己中心で、他人の意見に耳を貸さなかった。気がついたら荒野に一人。「さみしい」という彼のブログの文字がさみしい。多くの人が彼の横暴さに気づきながら、「清原だから仕方ないか」と応援してきたはずだ。今回、それが彼自身を破滅に導いたとはっきり分かった。ヨイショしてくれる者はもう誰もいない。未来は自力で這い上がるのみ。