オス猫、体調不良で病院へ

 良かった! 猫が病院から戻ってきた。今朝早く家人が動物病院に連れて行き、診てもらった。内臓に炎症があったので注射をして、明日から薬を飲ませるという。ここ数日元気がなく、めずらしく食事も取らなかった。昨夜は丸くなってほとんど動かなかったので、人間の母親は一晩そばでなでながら様子を見ていたのだ。
 
 起きて「大丈夫?」と聞いたら、「うーん、老齢化してきたからね」とまじめな顔で答えた。オスの黒猫・カールで16歳(人間換算80歳)。ふだんは妻に犬のように甘えるメタボ気味の元気者だ。グレーと白のメス・キャンディは17歳(同84歳)。猫らしく孤高のフリをしながら、我々のみえる所でくつろぐ。メスはオスが寄ると威嚇する。
 
 昔はキャバリアのオス(クッキー)とメス(ミルチ)も飼っていて、子どもたちが世話した。子どもが独立して犬の散歩と猫の水変えはオレの担当になった。いま猫ブームと騒がれているが、以前は犬ブームだった。4匹はオレが体調をくずした時からどれほど慰めてくれたか数え切れない。イヌは10歳過ぎに死んだ。2回とも泣いた。
 
 カールは老衰ではなかった。医師からそう言われたそうだ。炎症が早く治ってまた元気で食べられるようになってほしい。帰ってくるまで待つ2時間余りは胸が圧しつけらて苦しかった。いまはカールが目をクリクリさせて顔を上げている。安堵の息を大きく吸い込んだ。わが家でも高齢化は確実に進んでいるのだった。