新たな覚悟

 2月22日は己のお祝い日だ。1989年2月1日に会社を設立。22日に仕事仲間、協力者、友人たちが集まってくれて小宴を張った。1月初めに「平成」と年号が変わり、バブル経済が臨界点に達していた。翌年から景気は一気にダウンストリームに転じる。激励に来てくれたN社長は「あと2~3年はなんとか仕事はあるだろう。その間にきちんと会社の基礎をつくったら良い」と挨拶してくれた。実際、その時期はきわめて忙しかった。オレの「2・22」記念日。Hくん、君も喜んで。
 
 昨夜、NHK「新・映像の世紀」は60年後半~80年代にうねった若者たちの反乱を撮り上げた。世界のベビーブーマーがテレビを媒体に反体制運動を相次いで連動させた。ベトナム戦争が大きな引き金になっていた。日本でもわれわれ団塊の世代が大学占拠、新宿騒乱など全国でデモの渦を巻いた。その後、そのエネルギーを未消化のまま、「就職で髪を切った」(「いちご白書をもう一度」)。昨夜の番組を観ていて、胸の底から細かでショボイが2、3個の泡が浮かんできたのを感じた。
 
 いまは何もできないが、いまこそ何かをやるべきなのだ。右往左往しながら68年間生きてきて、数え切れない人たちからお世話を受けてきた。その人たちの後輩や子どもたちに自分は何かをして上げたか? 否。そうならば今日から変える。あまり言葉にしたくないが、志だけでもそこに踏み込むべきだ。いま政治も社会も狭い枠内でのブッチャケで足を引っ張り合っている。そんな下劣を脱する時だ。団塊人は死を前にした人間の覚悟と志をいま一度、社会に見せる時だと思う。