「チョコレートのお兄ちゃん」

 大河ドラマ真田丸」の父親・真田昌幸の存在感に惹(ひ)きこまれている。彼の顔をみるたびに最初の会社後輩だったWくんを思い出す。幼かったわが家の子どもたちが「チョコレートのお兄ちゃん」と呼んでいた。草刈正雄が当時チョコレートのCMに出ていたからだ。彼は都内から関越自動車道をぶっ飛ばして、よくわが家に遊びに来てくれた。
 
ハンサムな顔にいつも笑顔を浮かべて子供たちの扱いが上手かった。9月恒例の森友先生栗拾いの会にも毎回参加して、手際よく栗集めやバーベキューの段取りを進めた。数年後に彼は結婚して家族を連れてくるようになった。いつかお父さんまで連れてきて、みんなでおにぎり・サンマ焼きをたのしく分け合っりしたものだ。うちの息子は彼から虫の採り方を習った。
 
 Wくんは「陽」のオーラを周囲に与える頼りになる後輩だった。会社の兄弟制度で仲良くなった。その後、大手サンドイッチチェーンに加盟し、都内で数店舗を経営している。お互いに独立したりで、会う機会が少なくなった。昔の同僚が去年一緒に飲んだと報告してくれた。Wくんも草刈正雄のように渋く年齢を重ねたはずだ。君がいつも歌った「無縁坂」、また聞きたいよ。