エンブレム選考に違和感

 A案「組市松紋」に決まったが、腑に落ちない。他の3案のどれかに決まってもそう思っただろう。たくさんの人が参加・議論したら最良なのか? この種のデザインは違うと思う。昨日午後の「2020東京五輪パラリンピックのエンブレム決定」記者発表にそんなことを考えていた。
 
 宮田委員長は「A案はシンプルで日本の伝統と粋が感じられるという意見が多数あった」と述べた。そのとおりだが、五輪・パラリンピック大会という高揚感、はつらつさがまったく感じられない。年齢層の高いような委員たち21人中13人が「過半数以上がA案に投票した」(宮田)。
 
 自分は違和感がある。そもそも「何を基準」に選ぶのかが分からない。2020東京大会をどんな大会にするかが伝わっていない。大会の基本的位置づけで、理念だ。そこが曖昧なままエンブレム募集・選定というのは奇妙な話だ。まず「どんな大会にしたいか」を国民から公募すればよかったのだ。
 
 そのうえでデザイン公募、選考のプロセスに入っていくのが常道だろう。ここが抜けているから見た目だけのバラバラ人気投票になってしまった。透明性確保、国民参加も結果から見ればなんだか中途半端で、うまく取り込まれたような気分にも。まあ、そこまで言うのは酷か!?