年齢を超えた研究会

 U先生主宰の研究会からお知らせ2点がメールで届いた。①会員だった彫刻家の故佐藤健次郎さんのご子息から国展に招待されたので、参加か否かを連絡してほしい、②5月例会で話されるCさんの要約原稿を添付するので、予め読んできてほしい、との内容だった。
 
 佐藤さんは芸術家らしくいつも独自の観点から発言された。今回の国展では遺作が出展される。「欧米彫刻は体の部分を組み合わせてできているが、日本美術は全体の生命を重視する」、とくに自分の作品はそうである、と強調された。あるとき「今度、私の家に来ませんか!」とお誘いいただき、「是非」と答えたが体調不良で実現しなかったのが残念。
 
 Cさんは昔の農林省OBで、経済企画庁にも出向していたので日本経済の見方が奥深い。今回はわが国が敗戦直後の食糧難をどのように乗り切ったかを話されるという。今後の世界的食糧不足の到来にどう対応すべきかなども語られるようだ。各国による資源・食糧の争奪戦を見据えての発表だと推測される。参加したいが無理なので、報告を待つ。
 
 残念が重なったが、考えるヒントはもらっている。佐藤さんの持論やCさんの指摘は大きなテーマであり、入り口辺りをうろうろするだけでも身につくものは多い。U先生研究会は70,80代の多様な先輩たちで成り立つ。皆さんは理論だけでなくそれぞれ人生から得たダイナミックな意見を発する。年齢を超えた迫力が交差する場だ。