Tさんの「五月病」

 昨夜Tさんから電話、「西安から戻った、明日お昼行こう」と誘われた。返事をする前に「先々週から携帯がつながらないので、心配してたんだよ。Yさんから中国に行っていると聞いたんだ」と軽い抗議をした。「あっ、言ってなかったっけ…」。
 
 留学していた西安の大学同級生が全員帰国することになったので、お別れ食事会をやってきた。そのことを含めて約2週間の休養をとったのだという。この人の大陸的な思考についていけない場合もある。西安に癒(いや)しトリップだと???
 
 きょう昼に詳しい話を聞いた。Tさんの感覚では西安は心休まる郷里だった。「第二のふるさとかな!?」なんて、こちらが眩暈(めまい)しそうになる。そんなに好きなんだとあらためて顔を見た。コスモポリタンぶりは知ってたが、中国・アジア派だ!!
 
 「日本の昭和30年代の空気かなあ。人と人の距離感もぴったり近いし。日本人は今、踏み込まなくなったでしょう。彼らは人間関係を大事にするからね。・・・日本で始まった仕事や生活に少し疲れたんだよ。毎日の洗濯や食事の支度にも」。
 
 それで解かった。今春日本に戻って3、4ヵ月経った。新入社員の「五月病」にかかって、故郷に一時避難したんだね。西安までの往復航空代3.5万円、街中心のユースホステルに宿泊したらしい。彼らしい。話す声が活き活きしていた。