カープ優勝おめでとう

 広島東洋カープのリーグ優勝、おめでとう!! 水面(グラウンド)で舞い跳ねる赤い若鯉たちを見ていて、心からそう思った。本来、わたしはカープファンではない。いまの巨人軍は魅力がないので応援しない。かつて巨人が誇りにしてきた伝統の力を消滅させてしまった。カープは自前の伝統を脈々とつなぎ、25年ぶりに優勝した。
 
 カープファンの友人は何人かいるが、なんとなく“フェチ”な感じを受ける。平たく言えばちょっとばかり偏屈で、井の中の鯉しか見ていない先輩や知り合いたちだ。学生時代の下宿が広島出身者と同じだった秋田出身のSさん。広島で学生時代を過ごした歴史研究家M先生や隣市の作家Fさん。その広島愛は、もはや宗教的だ。
 
 その原因のひとつはカープが優勝できないコンプレックスの裏返しとも読めた。しかし、今年の居合いのように素早い優勝に戸惑ったのではないかな。それにしてもベテランの黒田と新井が抱き合ったところは見ものだったね。「戻ってきた新井」と「帰ってきた黒田」は若い選手に武士の姿を示した。いいものを見せてもらったよ。