IT知能でつまらない社会になりそう

機心に振り回されないよう気をつけないと、ゲームがますますつまらなくなる」。今朝の日経「春秋」の結びだ。将棋竜王戦の石井九段の将棋ソフト不正疑惑などを書いている。この“事件”は将来にわたって、あらゆる分野で鬼門になる。
 
日ハムvs広島・日本シリーズ第2戦のリプレー検証(ビデオ判定)で、本塁でのクロスプレーがアウトからセーフに覆った。とっさに将棋の人工知能問題を連想させた。ビデオ判定が審判判定より重視するルール優先がある以上、口を閉ざすしかない。
 
テレビの解説陣は「野球の醍醐味が失われる」、「これじゃ審判は要らない」などコメントしたが、ルールはルールだ。これから社会の様々な部分で似たような疑惑や判定逆転が連鎖してくる。細目の規定強化は社会をつまらなくさせ、明るさを奪う。
 
旧い人間なので「IT技術がいくら進んでも、人間をつなぎ合わせる真の喜びは増幅しない」と思っている。IT知能が社会の“神々”になって、つまらない時代がくる。ちなみに「機心とは機械・機器への依存心」のことで、「荘子」の説話にある。