デフレのかたち

なんか見ない方がよかったなぁ、缶ビールワゴンを見て顔をよこにむけた。ドラッグスーパーの出入口近くに置かれていた。10数本立て並べられた各社の缶ビールはすべて「プレミアム」もの。それぞれ20,30円引きのシールが貼られていた。
 
0.5秒みつめて急に恥ずかしくなった。理由が賞味期限近しだったので、なおさら。「プレミアム」であるゆえに、賞味期限と値引きシールにはさすがにドンびいた。たぶん売れないだろうなと思った。発泡酒の方がまだ心をすっきり活き返させる。
 
ビールの売れ行きが不振だと報じられてきた。そこで安価な発泡酒やその他のビールが相次いで投入された。そして、プレミアムは新たな付加価値戦略に乗った切り札として出た。特別の日にプレミアムビールを、つまり非日常が“売り”だ。
 
ところがその缶ビールワゴンは一刻の夢や望みを完璧に打ち砕いて、あられもない割引シール姿で並んでいた。せめてバラバラに横に積んでたほうが良かったように思う。女房族は買わないだろう。爺さんたちは? デフレ深化のカタチだ。