賢い入院患者になる8か条

 友人数人は病院に不信感をもち、嫌っている。鍼灸には前向きである。科学、つまり医学のお世話になるくらいなら、「死んでも運命だと諦める。延命装置などもってのほか」という。その考えがどんな経験からきているかは本人しか知らない。
 
 突き刺す痛みや、のた打ち回る苦しみのとき、どうするかは本人にも分からない。死生観の違いもある。どう生き、どう死ぬか、の考えが重いか、軽いか、である。どちらが正しいわけでもない。生きがいと自分の寿命の相関でもある。
 
 そんなことを、読売・くらし面「医者が患者になって(1)」を読み、考えていた。75歳で5回の入院歴をもつ東大名誉教授が入院患者の立場から話している。「朝6時起床、夜9時消灯はまるで刑務所暮らし」など、入院経験のある人なら納得だ。
 
 この医師が教える入院で賢い患者になる8か条は、①医療従事者(医師、スタッフ)と仲良く、②なんでも聞けるスタッフをつくる、③手のかからない患者になる、④入院生活は不便と思え、⑤病院食には期待しない、⑥医療に絶対はない、⑦病気は運命と受け入れる、⑧一日も早い退院を考える。
 
 この実現のためにどう言動するかがカギになる。上から目線で怒鳴り散らし、些細なことでもナースコールを鳴らし続ける、グダグダ言って看護師を独り占めしようとする爺さんたち。スタッフの腹の中はかなり煮えたぎっているのにお気づきか!