シャモ塩ラーメン

 Tさんから「お昼行きましょう」と電話が入り、シャモ料理「穂久柳(ほくりゅう)」に決めた。2年ぶりぐらいに来たが、ランチは初めてだ。ぜったいシャモものだが、シャモチャーハンかシャモ塩ラーメンで迷った。二人ともシャモ塩ラーメンにした。
 
 大きいラーメン丼にシャモのやや赤い肉がチャーシューみたいに幾つも並んでいた。透明スープは予想通り油が浮いて、一口飲んだら重厚な味がした。鶏肉というより硬い豚肉のような歯ざわりだった。思ったほどは癖のない、深い旨みだ。
 
 案内のオネエサマが「あちらに少しですが、バイキングが」と指差した。シャモのゆで卵、サツマイモ揚げ、キンピラゴボウ、野菜スープ、杏仁豆腐などが並べてある。それらをつまみながら雑談しているうちに、シャモ塩ラーメンができた。
 
 窓際でお日さまが顔に当たって熱くなった。いやいや、これはシャモの熱量が体に入ったせいだ。子どもが幼い時に家人がシャモならぬチャボをもらってきて、数年間飼っていた。よく卵を産んだ。大事に育て、もちろん食べることはなかった。
 
 前回はなにかお祝いの時に店の畳部屋で何種類もの料理を食べた。焼いたシャモ肉が脳裏に残っている。にぎやかだったからみんな元気が出たのだ。きょうもデザートに杏仁豆腐を食べながら、一時間半過ごした。眠くなったので解散。