大晦日の手紙

 中国・大連で暮らしているCちゃん、覚えていますか? 君が東京の大学に入った年の夏休みに帰郷して、二人で遅くまで話し込んでいた時に“something”という言葉を話したのを。「生きていくにはsomethingが大事なんだ」と語ってくれました。
 
 それを聞いて、都会の人はそういう言い方をサラリとするんだと驚き、思わずうなずきました。人生には求めるべき重要な何かがある。たぶん音楽の話にかけてsomethingを述べたように思います。あれから50年間、それを探してきました。
 
 今年も終わろうとしていますが、いくつの、どんなsomethingと出会えたのでしょうか。けっこういい年だったので、いくつかはこのブログにも書きました。去年、Cちゃんが坂戸まで来て、「とにかく元気で頑張ろう」と励ましてくれたおかげです。
 
 木曜日に友人Mくんと帰宅途中で、畑の道端に小さく綺麗な一羽の鳥を見ました。思わず「あれは幸せの鳥だよ!!」と言ったので、彼は困った顔をしていました。「アタマ大丈夫か?」とは訊かなかったけど、奇妙な奴だと思ったかもしれません。
 
 きょうは録画しておいた映画「英国王のスピーチ」を観て、この一年の締めにしました。封切りに有楽町・マリオンで観て、テレビでも一回観ました。自分にとてもsomethingを与えてくれる映画で、きょうもまた予想以上に感動しました。

 Cちゃん、良い年をお迎えください。元気でね。 (カズオ)