黒猫・カール、さようなら

わが家の黒猫・カールが昨夜10時に死んだ。妻の腕の中で最後に二度の柔らかな声を出して逝った。当時茨城・守谷に住んでいた娘がわが家につれてきて17年間たくさんの思い出を与えてくれた。子犬のようなひょうきんさで家族に楽しみと喜びとを振りまくった。最後まで明るい猫だった。
 
昨年2月ごろからときどき動物病院に行くようになり、秋には網膜はく離で失明した。その後おなかに水か血液がたまっていると診断され、妻が「見えないからきっと高いところから落ちて打ったんだよ」とずっと介抱してきた。彼女が少女時代に飼っていた黒猫に似ているという。
 
この数ヶ月間、家族は帰宅するとまずカールの様子を確認した。妻は昨夜一人でカールが一番好きな和室の窓前に横たえた。今朝、孫たちが保育園に行く前にカールを見せて、「天国でまた会えるよ、バイバイね」と教えた。オレが入院中はわが家の猫2匹、犬2匹の写真が励みになったのだった。
 
カール、お疲れさまでした。「一昨日の夜かもしれないと思っていた」と妻は話した。この数ヵ月間、よく頑張ったね、カール。昨夜体温が下がっていく背中をゆっくり撫でながら、たくさんの楽しさをもたらす猫だったと改めて分かった。18歳メス猫のキャンデーは昨日一日中静かだった。