江差・かもめ島でニシン群来る

 かもめ島は北海道・江差町にある。かつてニシンは沿岸一帯に群来して産卵し、海面は乳白濁した。江差でも再び群来(くき)が確認されたのだ。数年前から留萌、小樽でこの現象が見られてきて、道南・江差町でも先日“春告魚”速報が出た。
 
 今朝も/【函館新聞電子版【江差日本海に面する町内のかもめ島で見つかっていた海面が白く濁る現象について、桧山振興局水産課は2月28日、ニシンの産卵活動で起きる群来(くき)だったと発表。同日午前に地元漁業者が見つけた海藻についた卵の状況から断定。江差での群来は1913(大正2年)以来104年ぶり。
 
 かもめ島は江差町出身の父親から耳にナマコができるほど吹き込まれた。姥神大神宮例祭、浜茄子の花、五勝手屋羊羹そして江差追分もだ。父は身内の祝言の時だけ酒を飲み、勧められたら江差追分を唄った。いつも穏やかな顔で「♪カモメの~」。懐かしい。ときどきyoutubeで名人達の節を聴く。
 
 学生時代に江差町を訪ね、かもめ島など街を巡った。父がなにを伝えようとしていたか、少しだけ分かった。父は大正五年生まれで、ニシン場衰退の江差から始まった。そして古平町で家族をもった。先日、かもめ島を「北の江の島」にしようと道新で紹介されていた。幕末戊辰戦争の最果ての地は、いま必死に活路を模索する。