「不幸をよそおった幸せ」

 「不幸をよそおった幸せ」、小野ヨーコの言葉だ。若いころNYで苦労していたときに妹に話していたという。先日のNHKファミリーヒストリー」で知った。その「不幸をよそった幸せ」を信じて自分の芸術活動を続けていた。限界の中で支えた「救い」だ。
この言葉には力がある。個々人の失望の違いでその先の展望も分かれるが、より高い芸術性を求めつづける。そんな強いエネルギーがある。苦境に陥ったときに、「不幸をよそおった幸せ」とはなかなか言えない。過激に挑戦していくバイタリティー!!
わが国でも、欧米でもこの言葉の意味に近い箴言があったように思う。言葉の普遍性をもっているが、この言葉を吐かざるを得ない現実にこそカギがある。いま自分は弱くなり、嫌いだった小野ヨーコの一言にこの数日間、揺さぶられている。