イカの青い血

 特売チラシに「北海道、東北産生するめ1杯158円(税込)」とある。近くの大手スーパーのだ。「生するめ」に頬がゆるんだ。生のするめいかを干したものがスルメだ。幼い夏の時期、いかの刺身は定番。母が細く切ったのを口一杯にほおばった。
 郷里・北海道古平町広報8月号の裏表紙に「イカ釣り漁船の漁火」の写真。沖合いにまばゆい光が水平線にそって並んでいる。その明かりは人工衛星で宇宙からも確認できるそうだ。この時期すでにイカの大群を追って南下しただろうか!?
 中学生の時に学校にイカを持っていった。理科の時間にイカの青い血液を顕微鏡でみるからもってきてと教師が言った。父が未明に釣り上げたイカを届けた。お昼に用事で職員室に行ったら先生方がイカ刺しを食べていた。