「徳栄」のコシの強さ

 埼玉・花咲徳栄は「コシの強さ」で夏の甲子園を制した。恥ずかしながら、勝戦は広島・広陵が圧勝するのでは、と。ところが流れは徳栄に大きく傾いていった。勝ちすぎるくらいだった。岩井隆監督の「したたかさ」というコメントも気に入った。
 なかなかの戦略家であることも今回初めて知った。郷里の北海道代表チームを応援しながら感じるのは、したたかさ不足だ。強豪チームがたくさん出てきて、地区大会から死に物狂いで戦ってほしい。チーム力にさらにしたたかさを期待する。
 したたかさの基は「コシの強さ」だ。徳栄のある加須市は「加須うどん」が有名だ。最初はカメラマンに付き合って小さなうどん屋に入った。店主が競馬中継に夢中であまり美味しくなかった。2回目は娘夫婦の案内で繁盛店に行った。大満足。
 埼玉県はうどん処でもある。良質の小麦が採れるので武蔵野うどんが生まれた。腰が強いが、加須うどんは手間をふつうの倍ほどかけるという。岩井監督のチーム作りの手間かけが実を結んだ。きょう監督・選手が優勝旗をもって帰還する。