退院一ヵ月

 きょうで退院一ヵ月になった。この間ひたすら通院と自宅静養で機を窺っていたが、体調は戻りつつある。見えないくらいの薄皮がついてくるように、体に精気が滲んでくるようになった。今週からは専門家が来て自宅でのリハビリ療法が始まる。
 これまで何一つなしとげたというものはなかった。心身の放置化で、だらけた生活でもあった。集中力は来週から訓練し始める。血圧も少し戻ってきた。きのうから治療室のベッドが元に戻った。これまで臨時で前列だった。9月は再起の月だ。
 病院のスタッフがきのうも笑顔で迎えてくれた。彼らの一言が患者に力を与えるし、落ち込ませることもある。すべてのものが表裏半々だと思えば、彼らの見方は自分の「鏡」だ。いつの間にか渋面が抜けて、楽な表情になってきているのだろう。