白鳩の巣

少し以前から白い鳩が夕方、わが家に飛んでくる。まず駐車場の屋根の端に停まり、四方を注意深く見回す。しばらくすれば一階の寝室の軒に移り、そこからも周りをウオッチする。その光景をここ数日間、わたしは興味深くみてきた。
 「鳩の巣が槙(まき)の木の枝葉の中にあるのよ。今年で3年目になる」と妻。最初の年は二階のベランダから覗いたら、卵が見えたという。昨秋は卵が一個、可哀相に地面に落ちていたらしい。同じ親鳥かどうかは分からないが、巣をつくり子を育てる。
 この親鳥を見ていると、巣に行くまで細心の注意を払っている。子どもを守るための警戒感は見ているこちら側にも伝わってきて、微笑ましい。「燕の子どもは孵ると泣き声を出して親を呼ぶが、鳩は聞いたことがない」(妻)。わが家の風物詩だ。