リハビリのモチベーション

 リハビリのI先生(29歳)とモチベーションの話をした。治ったら何をしたいか? と問われた。突然に自分に振られて即答できなかった。でもしっかり答えた。「もう一度北海道の郷里に行きたい。できれば来年の高校同期の〝古希クラス会〟に出たい」。
Iさんは「ぜひ実現させましょう」と勇気付けてくれた。29歳のころは70歳の生活など想像もつかなかった。次の質問は「70歳になってどんな感じですか?」。かつてその年齢の人は漁師を引退したシワシワの隠居爺さんたちだった。自分もそうだろう。
「いま思うことは父も母もこのように年を取っていたのだと分かった。苦労も多かったし、体も若いときのように動かなくなっていく。でも子どもにはその姿をいっさい見せなかった」。自分ではまったく予想もしていない言葉が口をついた。驚いた。