「父親の声に似ている」

昨日来てくれたリハビリ先生(29)は声が良い。声の質がしっかりしているので、「いい声だ。なにかやっていたんですか?」と聞いた。ちょっと間をおいて「学生時代にバンドのボーカルを…」と控えめに答えてくれた。「父親の声に似ています」とも。
この言葉に同意した。自分も父親の声に似ていると近所の人たちから言われた。「久末の父さんが漁から戻ったと思ったら、カズオの声だった」。コソ泥に入れない声だ、とも。年齢を重ねるほど似てきたように思う。おそらく性格も、だろう。
息子の声も似ている。おんなじ声だ。友人たちが電話に出た息子の声を私と勘違いして、そのまましゃべり続けた例は何回も。彼が40代に入ったらますます似てきた。息子はとても嫌がる。三代目、亡き父のごと、われ叱る、ってか!?
きょう17日が父の月命日。もしかして父は家庭の温かさを十分に味わえなかったから、自分の家庭を大事にしたのかも。その思いをわれわれ子供たちが感じているのではないか。出漁前に、半紙に「けんかをしないこと」と書いて貼ったっけ。