落葉キノコの味噌汁

 
昨夜は落葉キノコと大根おろしの味噌汁だった。郷里から送ってもらったキノコ汁は味と食感がなつかしかった。冷めにくく最後まで美味しく食べた。落葉を噛みながら祖母を思った。キノコ採りは祖母が得意で、わが家にもおすそ分けされた。
 
弟が年子で母の実家が隣の家なので、“ババっ子”だった。祖父母と一緒の部屋で寝た。叔父・叔母が結婚する前は彼らの芸能雑誌を見たり、映画に連れて行ってもらった。幼少時、オリオン座という映画館で東映の時代劇に夢中だった。
 
 祖母はよく山菜の味噌汁をつくった。竹の子やキノコが入っていて「もっと食べ」と注いでくれた。祖父母の家にいると大人の世界を感じることができた。祖父が友人とやる花札の座布団の側で、世間話を小耳にする雰囲気が好きだった。
 
 そう思い出しながら味噌汁をすすっていたら、「帰りのバス、予約した? 満員で乗れなかったら困る」と言われた。弟・妹二人の坂戸から羽田へのリムジンバス。予約はWEBでも電話でも可だが、ローソンでチケット発行しなくていいので電話予約。
 
 積丹町の義弟が山菜取りも趣味で、手際よく下処理する妹から魚と一緒に送られてくる。祖母の料理法を母が引き継ぎ、母から妹が習ったやり方で届く。おかずはブリ大根。ブリは積丹沖で獲れ、大根は茨城の娘が畑から抜いてきたものだ。