「百年泥」

 小説家Fさんのブログ「行逢坂」に「文藝春秋芥川賞受賞二作を読み始める」、彼の所縁ある人の門下生だという。プロのFさんがこれら作品をどう評価するか。
 
 実は小生も別用件があってこの雑誌を買った。それで「百年泥」を6割ほど読み進めた。作者・石井遊佳さんの大阪人らしい語りは心地よい。もう一つの理由はインドの日本語学校の様子が手に取るように描かれている。
 
わが友人Tさんがマレーシアの日本語学校でボランティア教育しているが、日本語教育で直面する課題で重なっているかもしれない。たとえば助詞「てにをは」のつかい方。そんな軽い調子で読んでいる。
 
  石井さんの文章はたえず呼吸している。時々出てくる大阪人特有の表現サービスにニヤケたり渋顔になったりしているが、楽しく読んでいる証拠だ。インドの既成イメージがどんどん変えられるが、作者は量りながら盛っている。明日読了予定。