「あなたを支えてくれるのは」

 さきほどリハビリを終えた。I先生が「きょう、新人を連れてきました。実際に訪問リハビリをどうやるのか見学させてください」と伝えた。若い小柄な女性で、熱心に二人のやりとりを聞いていた。そばで誰かが見ているというのは初めてだった。
 
 先生の話では「いま理学療法士の専門学校が次々とできている。団塊世代の高齢化と関係している」。今後、さまざまな形態でリハビリの仕事が広がっていく。むくみがちな右足膝の屈伸、深く呼吸をする姿勢の持続などがきつい。
 
 昼前に書こうと思っていたのは、朝日新聞コラム「福岡伸一動的平衡」で紹介されていた言葉について。児童文学者・石井桃子氏の「大人になってから 老人になってから あなたを支えてくれるのは 子ども時代の『あなた』です」。至言。
 
 何時読んでも感心させられるのは、この福岡伸一氏と言語学者金田一秀穂氏の文章だ。福岡氏は生物学者。二人に共通するのは、生きる真理を分かりやすく示しくれること。切り口はもちろん異なるが、詩人に違いない。