イカの塩辛ピンチ

 昨夕のニュースでヤリイカが極めて不漁だと伝えていた。イカの塩辛業者が原料不足で生産停止に追い込まれている。イカの不漁は年々著しくなり、価格高騰が続く。われわれ消費者の口にも入りにくくなっている。そう報じていた。
 
 イカといえば函館、その朝市でもイカ不足で悩んでいる。全国の和食の店や居酒屋のイカメニューが少なくなり、値段も上がっている。イカは庶民の味方なので残念。熱いご飯のおともにイカの塩辛というのはぜいたく品になるかもしれない。
 
 幼い時わが郷里の味の代表がイカの加工品だった。焼きイカイカ酢づけ、イカメシ、塩辛はおふくろの味だった。いまでもやるのが茹でたジャガイモにイカ塩辛を載せて一気に食べる。なんともなつかしい味だ。イカがないならツブの塩辛だ。
 
 夏が近づくと積丹沖の水平線にイカ釣り船の灯りが並んだ。その光景は幼い子どもたちに親の働く姿を想像させた。父が獲ってきたイカを母が料理する。そのことの豊かさを今思い出す。「イガ獲れだが?」、岸壁で漁師の声がした。