「紫藻(しそう)寮」寮歌

 昨日夕方、「藻岩のふもと春たけて エゾの桜の匂うとき・・・」と頭の中で歌っていた。北海道教育大学札幌校・「紫藻寮」寮歌(*)の歌い出し。二番途中までしか出てこない。自分でも突然の寮歌メロディーに驚き、その歌詞をネットで探した。
 
 おそらくこれは先週、家人から送られてきた札幌・藻岩山の写メールがトリガー(引き鉄)になっていた。彼女が出張で札幌に行き、「大丸の上でお昼です。窓から見える藻岩山が近いです」と送信してきた。新緑豊かな藻岩山が写っていた。
 
 6月1日は「藻岩山の日」だった。学生時代に三回登った。二年生秋まで紫藻寮にいたので寮生グループでファイアーストーム、酒を飲み、寮歌で気炎を上げた。丹前姿の八年生がドンだった。真夜中登り始め、山頂でご来光を待った。
 
 夏休みに入るとわが準硬式野球部メンバーは藻岩山入口のジンギスカンレストランでアルバイトをした。七輪やラム肉・野菜を外庭の客に運ぶのだが、足腰の鍛錬になり、賄い料理を腹いっぱい食べられた。儲けは野球用具代になった。
 
いま学校は移転して藻岩の下にない。近郊に立派な校舎、立派な紫藻寮が建っている。かつての歴史がしみこんだボロ学生寮は永遠に消え去った。昨夜気がついた。紫藻とは藻岩山の夕暮れを意味しているのかも、と。
 

(*)『紫藻寮・寮歌』
1.藻岩のふもと春たけて 蝦夷の桜のにおう時 

ここに集える若き四百の 熱き血潮は叫ぶなり
2.ああ若者よ友垣よ 古き夢より歩み出よ
  理知と希望を左右に握りて 光の中を進めかし
3.石狩原頭秋深く 豊平の水さやぐ夜は
  綿津見のごと湧きて広がる 久遠の夢に燃ゆるなり
                                       (作歌年度も作詞者・作曲者も不明)