食材豊穣の季節

 日ごとに落陽が早まる今は、食材豊穣の季節。この数日間に郷里の弟妹か余市りんご(つがる)、甘エビ・秋イカなど、M先生ご夫妻から栗まで届いた。猛暑疲れ気味の心身にいちばんうれしい贈り物だ。たっぷり食べてきびしい冬に備える。
 
 余市りんごは同町梅川町の果樹園から。りんご屋さんから妹に電話で「関東はまだ暑いのでチルドで送ります」。なかなか良い話だ。夕食のテーブルに並んだ。この日は甘エビ、秋イカ、いくらの三点盛り。目と口がかってに興奮していた。
 
 箱詰めで届いたりんごに母を思い出した。母は毎日りんごを好んで食していた。当然子どもたちも好きになる。毎朝りんごは欠かさない。いくらも同じ。筋子が大好物だった母に習って好む。いくらでは筋子の生臭い特有の旨みが無くなる。
 
 「今年で栗は最後、主人も近く90歳になりますし」、M先生の奥様が電話で言われた。先生は不在だったがお世話になった40年間。お父さんまで連れてきたWくん、レンガでバーベキュー台をつくってくれたYくん、いつも家族参加のSさんetc。
 
 M先生の栗拾いは子どもたちの成長にもつながった。楽しく遊ぶため自分の役割をしだいに身につけた。虫の動きを注視していた息子は40代半ば。自分の子どもを高麗川に連れて行き、魚をすくい水槽で飼っている。かつての光景の再現。