雪ことば

 
 けさ家人の車の上に2センチの雪が載っていた。白い車が少し膨らんで見えたような気がした。今回の大雪予報はこの程度で終わりそうだ。触ったらザラッと固まっている。春到来のさきがけを果たしたことを願っている。
 
 北海道の厳寒はいまだ続く。札幌でもマイナス10度前後のなか、雪祭りが続く。札幌の妹からきのう「風がないので思いのほか温かい。バスの窓から大通の雪像が見えた。人が多く出ているがなぜか寂しい雪祭りです」のメール。
 
 けさの朝日「天声人語」。作家・渡辺淳一が「雪割り」したことを随筆に書いていると。雪かき、雪のけ、雪なげ、雪割り。いずれもそのときの吹き出す汗は北国の住人しか知らない。いま埼玉・坂戸市に住んでいて痛感する。
 
 きのうの読売「編集手帳」では、太宰治の「津軽には七つの雪がある」を紹介していた。こな雪、つぶ雪、わた雪、ざらめ雪、みず雪、かた雪、こおり雪。新沼謙治の「津軽恋女」はこの七つの雪を唄う。しゃれた歌詞は太宰の引用だった。