桃の節句

   「夕食後にケーキをたべるから」と家人が言ったので、食事は腹八分にした。ひな祭りのお祝いで、二階の男児・女児がはりきってわれわれのテーブルに加わった。Nさんがショートケーキを配ってくれた。さらに大きなイチゴが山盛りにだされた。
 
 先日から居間にかざってあった「お雛さま」もテーブルに置かれた。男児が小学校で、女児が保育園で手づくりした。一年前とは雲泥の違いの出来映え。子どもの成長は日々見えないが確実に変わっていく。季節の祝い事の意味を知らされる。
 
 われわれ夫婦に授かった最初の女児の生まれたての写真と、立派な木目込み一対のお雛さまがガラスケースに並んでいる。人形は古い友人S子さんが自分のものをわが子に贈ってくれた。以来寝室の箪笥のガラスケースに鎮座している。
 
 わが家の娘に家人が買ったひな壇飾りは今年も老人施設で飾られているだろう。家人が老人施設のイベントにもっていった。お年寄りたちが喜んでくれるのであればそれに越したことはない。ひな祭りの花は桃の花も良いが菜の花も映える。