森友先生逝去

 

 森友幸照先生が逝かれた。そう聞いて体の箍(たが)が緩んだ。

 

 先生のお嬢様が「父は先日土曜日、90歳で亡くなりました。身内だけで葬儀を済ませました」と伝えた。わたしは口をパクパクさせたが言葉にならなかった。およそ50年間にわたるご指導に感謝の気持ちだけ。

 

 けさ起きた時から「惜別の歌」が脳裏で響く。なんかおかしいな。10時49分に森友先生の携帯に電話した。長い間出なかった携帯がつながった。「森友の電話です」。「先生はいらっしゃいますか?」と尋ねた。

 

 その答が逝去されたとのお話。手短にいくつか確認した。先生の奥様は外出されていたので伝言を頼んだ。先生の友人のSさんとTさんに連絡した。自分の体が支えられなくなった。椅子に腰を落としテーブルに伏した。

 

 昨年12月末の手紙が先生からの最後の手紙になった。いつもより筆力が少しだけ弱かったが先生の堂々たる字体が連なっている。何回も何回も読んだ。伏して「先生」と呼んだが声にならなかった。ありがとうございました。