神威岬、女人禁制の解除

 先日札幌の妹が送ってくれた北海道新聞(11/10付)の積丹半島神威岬「女人禁制の解除」がおもしろい。江戸時代から岬越えが女性通行禁止になった。函館奉行役人が岬にむけて撃った銃声が迷信をくだいた。

 

 これ以後、美国、古平、余市などを含む岬の奥地でニシン漁獲量が急増した。この神威岬の女人禁制は地元老人の語りで聞かされた。さらにこの岬から400メートル沖に立つカムイ岩が義経伝説のアイヌ娘の化身だと伝わる。

 

 知っている人も多い。ニシン漁が衰退していく松前江差からすれば北上するニシンを追って神威岬をこえて新魚場を開発する必要があった。「♪忍路(おしょろ)高嶋及びもないがせめて歌棄(うたすつ)磯谷まで」。江差追分でヤン衆の悲哀が唄われている。

 

 神威岬の向こう・忍路高島(小樽)まではオカムイサマがあって行けないが、せめて歌棄磯谷(寿都)までいって一旗揚げたい。人間の欲と悲哀が江差追分の真髄である。冬の半島はきょう暴風雪。