「太平洋数の子」と「大西洋数の子」の違い

 小樽・平磯岬にそびえる高級料亭・温泉旅館「銀鱗荘」でお昼を食べた。かつてニシン(鰊)の千石漁場であった余市の大網元の屋敷として明治6年に建造され、昭和14年にこの地に移築されたという。高台から日本海を臨みながらの食事は豪華すぎて、「ジェジェジェ!!!」。食前酒「はすかっぷ酒」、前八寸「数の子、青つぶ、じゅんさい、鯖笹寿し、青煮昆布」から始まり、「いくらご飯」までのコース料理を満喫した。こんな贅沢は二度とないだろうなぁ?!
 
 今回、積丹町の妹宅で義弟から興味深い話を聞いた。ここ数年来、小樽海岸では一月末か二月初めにニシンが産卵して海岸が白濁する「群来(くき)」現象が見られている。義弟は漁協職員であり、現場で魚を扱っている。「この群来が毎年少しずつ南下していて、小樽では忍路海岸でも蘭島海岸寄りに微妙に移ってきている。留萌市の上の羽幌町で稚魚が放流されている。来年は余市、古平でも群来(くき)るかもしれない」と語った。ComeBack、鰊の大群!!
 
 太平洋産ニシンの数の子と、大西洋の数の子の味はどう違うか?? 太平洋産数の子の方が「ポリポリ、プチプチ」の食感で断トツの差で優る。大西洋産は見るからに柔らかで食感もユルイのだ。それぞれ加工が施されて特徴を生かした商品として売られている。我が家ではお正月は「塩数の子」、食べたいときは「味付数の子(御寿味付)」だ。息子夫婦は酒のつまみやサラダに「親子マリネ」、「スプーンかずのこ」をお取り寄せしている。いずれも井原水産の商品だ(数の子)。