「カーネーション」から(2)

先日、NHKカーネーション」に、『受けるより与えるほうが幸いである』という聖書の言葉が出てきたと書いた。糸子は「欲の深い人間がかなり年をとってから初めていえる言葉で、欲のない人間には誰にもそんなことは思いもつかない」と断言した。その意味が、今朝の朝日「オピニオン」での脚本家・渡辺あやさん・インタビュー記事で分かった。
渡辺さんはこう答えている。「糸子のモデルである小篠綾子さんは、晩年が最も輝いていたそうです。どうすればそうなれるのか、描けるなら描いてみたいと思いました」、「小篠さんの座右の銘に『与うるは受くるより幸いなり』という聖書の言葉があります。お年寄りにしか与えられないものがいっぱいある。私たちもお年寄りに与え、一緒に生きることで、自分の中で育てられるものがある。…そんな日常を送った人は『自分が死んでもそうしてもらえる』と信じながら死んでいけると思います」
そういう意味だったのか。もう一つピンとこないところは残るが・・・。渡辺さんは「すでにある物語が見る人に届きたくて、私やスタッフや俳優たちが呼ばれた」とも話している。――優れた表現だが、どこかでも聞いたような?!
ところで、自分に「座右の銘は何ですか?」と問われたら、何と答えるか――毎日、クラゲのように変わっていくので、語ることはできない。なんと理念のない生き方をしていることかー。