ホッケの話(続き)

今日もホッケの話を書く。昨夜、友人から「いくら美味しくてもホッケの開き一尾680円はいい値段だな」とメールが入った。それで電話をかけて「いくらなら良いのか?」と聞いたら「まあ500円か、せいぜい550円というところだろう。700円も取るのは高級魚の話だ」と答えた。さて、現在、ホッケは大衆魚か?高級魚か?自分は二人で食べて満足したから、680円でも高くはないと思ったのだが・・・。ホッケは大衆魚だと思う。かように、食べ物の値段は難しい。
 
では、「ホッケの刺身・250円」というのはどうか?薄切りの身が8枚、乗っていた。去年の初夏のことだ。高校の同級会をやった市ヶ谷の大衆居酒屋に新登場メニューとして張り出されていた。自分はこれまで一度も「ホッケの刺身」は食べたことがなかった。というより、考えたこともなかった。北海道・積丹半島では、ホッケを生で食する習慣がない。
 
「おい、ホッケの刺身だと。試しに食べてみるか」と声をかけたが、誰も返事をしない。それでホッケのプロを自認する漁師の息子である自分が頼んでみることにした。やや小さめの皿にきれいに身が並んでいる。小生ともう一名が箸をつけた。彼はそれ以上食べなかった。自分は2枚一度に口に入れたが、ほとんど味がしなかった。それ以上は食べなかった。
 
帰宅して故郷の妹に電話した。「ホッケの刺身って食べたことある?」、即「ない!」。「昔からホッケは傷みやすいのと、身の中に虫が入っている場合があるので、地元では生で食べない」との返事であった。そうだよなぁ―。「ただ、最近では流通が良くなって鮮度が良いまま、刺身にもできるという話は聞いたことがある」とも語った。「ホッケの刺身8枚・250円じゃ、ぼろ儲けでしょう」と笑っていた。