「縄文のビーナス」

 「縄文のビーナス」の写真が、今朝の朝日一面左に載っている。山形県西之前遺跡から出土した土偶で、国宝に指定されることが決まった。「高さは45cmで、縄文時代の造形の一つの到達点」と評価された。「28日から513日まで、東京・上野の東京国立博物館で展示される」(朝日)という。
 この「縄文のビーナス」については今後、さまざまな解説が報じられるだろうが、八頭身の体型にまず注目される。「ビーナス」と言うからには「美女」という意味だと思うが、小生には男か女かがよく判らない。これまで発掘された土偶とは「スタイル」が明らかに異なると思う。いくつかの想像は浮かぶが、もう少し情報が集まってからにする。日本人の起源に関連する今回の「縄文のビーナス」になるかもしれない。ワクワクする!!
 
以下は、すでに国宝に指定されている長野県茅野市で発掘された「縄文のビーナス」である。いわゆる従来言われてきた国宝「縄文のビーナス」である。
 
 「長野県茅野市の棚畑遺跡は、昭和61年に発掘された、市内でも最大規模の遺跡です。この遺跡からは、縄文時代の前期から江戸時代までの生活の跡が見つかっています。特に今から約4000年から5000年前といわれる、縄文時代中期と呼ばれる時代については、この土偶をはじめ、膨大な量の優れた資料が出土しました。
 全体像は下方に重心がある安定した立像形で、全長は27センチ、重量は2.14キロあります。
 頭は頂部が平らに作られ、円形の渦巻き文が見られることから、帽子を被っている姿とも髪型であるとも言われています。文様はこの頭部以外には見られません。
 顔はハート形のお面を被ったような形をしています。切れ長のつり上がった目や、尖った鼻に針で刺したような小さな穴、小さなおちょぼ口などは、八ヶ岳山麓縄文時代中期の土偶に特有の顔をもっています。また,耳にはイヤリングをつけたかと思われる小さな穴があけられています。
 腕は左右に広げられて手などは省略されています。また、胸は小さくつまみ出されたようにつけられているだけですが、その下に続くお腹とお尻は大きく張り出しており、妊娠した女性の様子をよく表しています。
 全体のつくりは、主な骨格となる部分を組み立てて、それに幾つかの粘土塊を肉付けするように丁寧に作られています。表面はよく磨かれて光沢があります。また、粘土は雲母が混じっており、金色に輝いています。焼きは一部甘いところがあり、右足には表面がはがれ落ちていたか所がありました。けれども、一般に見られる、壊された土偶とは異なり、完全な形で埋められたものであることは明らかです。
 この土偶は、八ヶ岳山麓土偶の特徴と造形美を合わせ持つことや、当時の精神文化を考えるためにも貴重な学術資料であることから、平成7年に国宝に指定されました」(茅野市役所web説明から)