内田樹「学びの3条件」

朝日新聞全面広告「朝日求人」で日曜日ごとに、内田樹(たつる)氏が「キャリアの扉にドアノブはない」を書いていることは紹介した(4/3ブログ)。一回目(4/1)は「『適職』は幻想である」とのタイトルで、以下、「消費者マインドの弊害」(4/8)、「現実を涼しく受け入れよ」(4/15)と続いた。今日は最終回(四回目)「伸びしろの要は、愛嬌だ」となっている。
 
「成功する人は懐に飛び込んでくる」、「人間の学びの3条件」とサブタイトルがついている。前者では、「『学ぶ姿勢』のある人は、何よりも素直です。・・・素直な人に聞かれると、こちらもつい真剣になる。知っている限りのことを、知らないことまでも、教えてあげたいという気分になる。そういうものです」と言い切っている。
 
「『学びの3条件』とは、①自分自身に対する不全感、②その欠如を埋めてくれる『メンター(先達)』を探し当てられる能力、③メンターを「教える気にさせる」力(平たく『愛嬌』と言ってもいい)。まとめると「学びたいことがあります。教えてください。お願いします」という文になり、これが「マジックワード」だと指摘している。「この言葉を惜しむ人は学ぶことができないのです」と述べている。
 
なぜ、長々と引用したかといえば、自省のためである。この年齢になってくると少々のことは知ってるつもりになって、他者に学ぼうとしなくなる。また、いちいち、「知者」にお伺いを立てて教えを請うことが面倒になる。そんな傲慢になりがちだ。自分の状態は自分が一番分かる。それでヒサスエは思考停止になり、退化が始まり、認知症に至る。かつての軽いフットワークが、足腰の老化で無理になっているからだ・・・?!
 
なお、内田氏は「内田樹の研究室」というブログを運営している。著書の多くは、このブログのテキストを編集者がテーマ別に編集したものである。