社会倫理研究会

 昨日、5/10(木)に行われた社会倫理研究会の報告メモが届いた。この会は二ヶ月に一回東上線ふじみ野駅近くの元大学教授のU先生宅で開かれている。U先生と旧知であった小生が、ある勉強会の帰りに発会を話し合い、約10年前に二人でスタートした。始めの頃はU先生の基本的な考え(マズローエリクソンetc)に加えて、先生が新たに読まれた著作を組み合わせる形で毎月一回レクチャーしてもらった。当時、企業倫理の問題に取り組もうとしていたことから、この「個人的大学院レク」は始まったのである。
 
 二年間ほど経って、小生は体調を崩して欠席したが、U先生は友人・知人をこの会に誘いながら続けていて、現在では参加メンバーは10名を越えている。70代、80代の人生の先輩方で、経歴も大学教授OB、経済官庁OB外資系企業OB、埼玉県環境ボランティア、彫刻家などバラバラである。そのことが意見の交流を促進している。5/10の会合では、最初に一人5分ずつ最近の所感を述べてから、意見交換となった。
 
①東電が実質的に国営化されるが、いったい誰が管理をするのか、②原発技術は日立・東芝が世界の先陣になっていて、中国、米国ですら日本頼みなのが実情だ。ただ、国内では地震との関係をどう判断していくか、③プーチン・ロシア大統領が就任したが、ロシアからの天然ガス輸入がどの程度進んでいくのか、こうした経済交流の中で北方領土問題の行方はどうなるのか、などで意見交換が行われた。また、経営倫理と企業倫理の違いについてもU先生から説明がなされた。
 
この会の基本的なテーマは「共同体論」である。高度成長時代からの核家族化が日本人の特質でもあった家族共同体を崩壊させた。新たな時代における「共同体」はなにを核に形成されていくのか、との視点が議論されている。フランスのジャック・アタリの著作「21世紀の歴史」を一つの手がかりに、さらに検討していくことになった。アタリは人間がさまざまな試行の末に行き着く「超民主主義」に希望を見出している。