橋下流を考える
読売3面に「『維新に投票』近畿トップ24%~橋下人気なお勢い」と大きく報じている。読売が近畿6府県の有権者に次期衆院選の比例近畿ブロックでの投票先を聞いた結果だ。「大阪維新の会」24%「自民」20%「民主」9%で前回(3月)比「維新」横ばい「自民」+2%「民主」-1%。「関西の橋下人気は勢いを保っている」と同記事は伝える。既成政党の警戒は高まり、各党ともいずれも橋下氏を敵に回さない構えを取っていると指摘している。
朝日文化面の「甲乙閑話」の「橋下流を考える補助線」は興味深いコラムだ。「橋下大阪市長の政治手法を理解するには、米国のマッカーシー上院議員と比較すればよい」と言う。これは作家・佐藤優氏が「サピオ」5/16号コラムで述べている説だという。マッカーシーは1950年代に共産主義者追放の嵐を主導した。彼は米国に画一性を押し付けようとしたといわれているが、それは違うという内容だ。
R・H・ロービア著「マッカーシズム」によれば、「そのような積極的な目標は持っていなかった」のであり、話題の中心に立つことが目標で、順応しない者を責めたのは手段だった、という。コラムを書いた塩倉裕氏は「社会から多様性は失われ、『正しくない者』への退場圧力も高まったが、それらは『結果』なのだ。そんな解釈だろう」と述べ、「退場圧力をかける橋下市長の手法をめぐって、論壇には『真の狙いが見えない』との声が多かった。ロービアの分析は、理解に近づく一つの補助線に読めた」と論じている。
日経「春秋」は、街の再生を手がける山崎亮さんの近著「まちの幸福論」から次のような見解を披露している。「自分の意見と異なる意見の持ち主を前にしたとき、正面から全否定で返す『No』。うなずくふりで欠点を突く『Yes,but・・・』。そのいずれとも違う『Yes、and・・・』という発想がコミュニティー活動や地場ビジネスを盛り上げている」。