読売/東電会長インタビュー

  今朝の読売2面に東京電力勝俣恒久会長のインタビュー記事があり、9面に詳報が掲載されている。事故後にインタビューを受けるのは初めて、とある。明日(27)株主総会で会長を辞任し、社友となる予定だ。発言内容は案の定「責任」と「賠償」については曖昧であった。
 
原発事故の責任について「われわれの安全対策は十分だった。(国の方針や学会の研究など)新たな情報に目配りし、確立した知見があれば従う方向だった」。
家庭向け電気料金値上げ認可が遅れたら「(公的資金)出資は値上げの認可が必要。(725日の出資期限に)認可が間に合わなければ、破綻も見えてくる。破綻すれば賠償などで国民負担は現在より大きくなる」。
巨額の廃炉や除染費用の分担が明確でない点には「原子力損害賠償法が不備で、我々も理解していなかった。見直しを行い、東電と国との責任をはっきりさせてもらいたい」。
 
 東電会長としての勝俣氏の最後のメッセージである。残念ながら、事故の原因、被災者への真摯な姿勢が窺うことはできない。かつて社長就任後には「カミソリ勝俣」と言われるシャープさで合理主義を貫いた。その勝俣氏は東電社内には名を残すが、世に言う「晩節を汚さず」とはならなかった。
 
勝俣氏は原発事故当時、マスコミを引き連れて中国へ訪問旅行に行っていた。帰国後、「旅費は東電持ちか」との質問に「全額東電負担ではない。詳細はよく分からないが、たぶん、多めには出していると思う。マスコミ幹部というのとは若干違う。OBの研究会、勉強会の方々。誰と行ったかはプライベートの問題なので。責任者の方によく確認して対応を考えさせていただきたい。2~3日中にどういうことになっているか照会したい」と発言していた。その答えは聞かれないままだ。