心臓病とせっかち

昨日の天声人語は「せっかちな人ほど心臓を患いやすい。半世紀前、米国の心臓内科医フリードマン病院での観察をもとに唱えた説だ。外来待合室の椅子は、なぜか座面の前端ばかりすり切れる。患者の様子を探ると、名を呼ばれたらすぐ立てるよう、みんな浅く腰掛けていたという」と書き出していた。
 
このフリードマン説は正しいと思う。近くの大学病院の心臓内科に入院していた時に、「せっかち」説が入院患者の間でしきりに語り合われていたからだ。「明日からせっかちな癖は直そうよね!」とお互いに誓い合いもしていたほどである。ところが、である。食事時になるとそれがどこかにぶっ飛んでしまうのだ。
 
8人部屋だとすれば、まず2人ほどが「まだ来ない、まだ来ない」と言いながら、エレベーターホールの方まで偵察に行く。そして「来たよ~!!」と大声で急ぎながらみんなに知らせてくる。心臓が悪いのに早歩きで来るのだ。
 
廊下にある食事が入った大型ケースから自分の分をいち早く受け取り、早い人はすかさず食べ始める。8人に食事が渡り終える頃にはすでに2~3人の人は食べ終えて、空になった食器が載ったお盆を返しにいく。皆さん、とにかく早い。小生は最近ゆっくりと食べるようになったので、隣のお爺さんとともにいちばん遅くなる。
 
フリードマンとは異なる観察だが、たしかに「せっかちな人ほど心臓を患いやすい」説は正しい。とくに仕事をバリバリやっていると思う人ほど「せっかち」だ。これ、ホント!!患者はほとんど心筋梗塞狭心症だった。