上戸彩主演「金子みすゞ物語」

TBS系で7月9日(月)にドラマ「金子みすゞ物語」が放映される。主演は上戸彩今井翼だ。(上戸彩 金子みすず)午後9時からの放映。プロデューサー・石井ふく子は以前、2001年に松たか子主演で、みすゞの生涯をドラマ化している。今回、生まれ故郷の長門市仙崎でのロケを行い、当時の様子を細かく再現しているという。東日本大震災後に流れたACジャパンのCM「こだまでしょうか」で何回目かの、しかし、これまで最大の「金子みすゞブーム」が起きた。上戸彩・主演ドラマは、かなりの高視聴率を記録するだろう。
 
今朝の朝日・文化面では「日常輝かす広い視点、金子みすゞブーム続く」と紹介している。さて、いかなる「みすゞ像」を描いてくれるか楽しみに待ちたい。早く言えば、普通の人と異なる感覚と視点をもった彼女の悲痛な生涯を見るのは、本当は辛い。それを石井ふく子はどのように仕上げたのかが興味深い。
 
以前、このブログ(4/30)でも書いたが、仙崎は当時、決して明るい街ではなかった。王子山から望んだときに、金子みすゞの不幸な人生のある部分が分かったように思った。この高台がある青海島(おうみじま)には、捕獲した鯨の胎内にあった子鯨を手厚く葬り、墓もある。海の生き物たちと共生した港町なのだ。こうしたある種の信仰心が金子みすゞの人格を形成していったことは間違いないだろう。
 
ドラマの見所は、金子みすゞの夫をどう描くかだ。彼はこれまでほとんどのケースでみすゞの人生を破壊した悪者にされてきた。本当にそうだったのか―調べれば調べるほど疑念が広がってくるからだ。